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パーティーが行われる日曜日。
タッくんと玉子はホテルのロビーにいた。
「せっかくの休みなのに……」
「会場に入ったら別行動よ。美女たちとの会話でも楽しんできなさいよ。でも……変な事をしたら、お姉ちゃんに言いつけるからね!」
「何で俺は叔父さんで、妻はお姉ちゃんなんだよ……」
会場となる六階へ向かう為に、エレベーターへと乗り込む。
「それにしても、そんな服装でいいのか? 俺は問題無いけど……」
「カジュアルな服装でって、招待状に書いてあったでしょ? これぐらいの方が、初対面でも警戒心を生まないのよ」
「本気の婚活みたいで怖いよ……おっ、着いたぞ」
エレベーターを降りると、会場の前に立つボーイが視界に入った。
「ようこそ、お越し下さいました」
重そうな扉の前に立つボーイは、丁寧に頭を下げてから扉を開く。
キラキラと眩しく輝く、広いパーティー会場が視界に飛び込んできた。
既に立食式のパーティーが始まっていて、楽しそうに会話するクリエーターが大勢いる。そして、何処からか美しいピアノの音が聞こえてきた。
「狼歩さんが弾いているのか? もしかしたら、ンバさんも一緒にいるかもな。師匠や丹一さんも何処かにいるのかも知れないし、せっかくだから後で挨拶に……ん? あの子は誰だ? 凄い可愛くないか!?」
「どうしたの、叔父さん? 固まっちゃって気持ち悪いよ。それより、イケメンは何処かな……ん? あそこにイケメンが!?」
玉子の視線の先には、人気クリエーターの快紗留さん。タッくんの視線の先には、同じく人気クリエーターの満月兎の助さんがいる。
玉子とタッくんは別々の方向へと走り出した。
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