顔出しNGの休日

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「夕方からならここから直接向かった方が早いな、もう少し時間を潰してから行くか」 「そうね、そうしましょう。 あーあ、せっかく1日休みだったのに~ 」 「水戸さんに振替休日貰えるように後で抗議しよう!」 「水戸さんを前にしたら何も言えなくなるくせに」 「ぐぬッ…!? やっぱり交渉は歩美に任せるよ… 」 「も~ッ!!」 今迄もこのような緊急の出演は何度かあった。今日みたいなテレビ出演だけでなく、大きなフェス何てこともあったな。 きっとそのおかげもあって、こんな新人バンドが異例のスピードでメジャーデビュー出来たのだろう。 そこは流石、敏腕マネージャー兼社長の水戸さんといったところか。 「じゃあ、私その前に御手洗いに行ってくるね」 「了解、俺はこの辺にいるよ」 そう言って歩美を見送るが、俺はこのフードコートに入った瞬間からある野望を抱いていたのだ。 そして歩美が御手洗いに行っている今、それを実行する時が来た! 歩美の背中が見えなくなった瞬間、俺は急いでフードコートから出て、隣のゲーセンに駆け込んだ。 買い物のプランを考えた際に、このフードコートの隣にゲーセンが入っていることは既に確認済みだ。     
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