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最近のゲーセンでの私の楽しみは、この『戦場の友情』というゲーム。
ここでは性別は関係がなく、力だけが全てだ。
地元のゲーセンでは向かうところ敵なしで、女だからと舐めてかかってくる男共を返り討ちにして、こっ酷く痛みつけてやった。
早速プレイを始めると、丁度同じ店内にもう1人プレイヤーがいたため詳細を見ると、IDなしの新規プレイヤーのようだった。
「IDなしの素人か… 」
素人相手に対戦を挑むのは申し訳ない気もするけれど、日頃のストレスが限界にまで溜まっているし、悪いけど憂さ晴らしさせてもらおうかしら?
その代わり、こっちはCPUなしの一機のみで戦ってあげるわ! ちょっとしたハンデみたいなものよ。
相手が対戦の承諾をしたところで、視界が発進シークエンスの場面に移る。
私がカスタマイズをした愛機の“ヴァーチェカスタム”を選択し、準備完了ボタンを押した。
「西野莉奈、ヴァーチェカスタム出ますッ!!」
カタパルトから勢いよく発進したヴァーチェカスタムか降り立ったのは、アスファルトが少し見えるほどまで砂が積もった道路の上で、周りには朽ちかけて錆びついた鉄骨が覗くビルが立ち並ぶ『旧市街地』だった。
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