解答

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解答

「もうすっかり寝てしまって……」  荒川中央警察署の階段を上って二階の刑事課にたどり着くと、杉元はベンチに座り壁にもたれかかって寝ている松樹の肩へと毛布をかけた。  見慣れた壁掛け時計は午前三時を指している。  広いフロアには明かりがついているものの、他に誰の姿もなく寒々としていた。  人がいないせいか空調も切られているため、実際に寒い。  松樹は真相を聞いてから帰ると言っていたものの、まだ取り調べも続いているようだし、このままでは風邪を引いてしまうだろう。  いったん家に連れて帰るべきではないか――と、松樹を起こそうとした時。 「こっちだ」  刑事課の奥からドアの開く音が聞こえてきた。  出てきたのはスーツ姿の刑事二人とやはりスーツを着た初老の男が一人。その両手には手錠がはめられていた。 「本庁へ連れて行く。今回は助かった」  そう言って刑事たちは杉元と松樹を一瞥すると、初老の男を連れたまま一階へと降りていった。  どうしたものかと思っていると、奥の部屋からもう一人、この数時間で見慣れてしまった男がやってきた。 「まだ寝てるんですね。本当に夜が苦手らしい」  それは五反野だった。  杉元もくすりと笑って頷く。     
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