解答

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「こうなると、もうちょっとやそっとでは起きません。おそらく明日の朝までは目を覚まさないでしょう」 「それは好都合」  そう言って、五反野は松樹の隣に腰を下ろした。  少し疲れた様子ではあるものの、松樹と話していた時のような軽薄さは見当たらない。  口調も普通だし、何かがおかしかった。 「……松樹さんのアドバイスのおかげで、無事に犯人が逮捕できたよ。犯人は被害者の交際相手、その父親だった」  そこだ、と杉元が息を飲む。  結局、松樹は犯人とその根拠を教えないまま寝てしまったのだ。  しかし五反野は、彼女の指摘したクリームパンからヒントを得てそれを殺人班に伝えると、ものの一時間もしないうちにあの初老の男――父親を任意同行で事情聴取し、逮捕にまでこぎ着けた。 「どうやら、杉元さんは分かっていないらしい」 「え? ええ……クリームパンが何なのか……」  悔しいが、頷かざるを得ない。 「松樹さんはクリームパンではなく、クリームパンを持っている私を指さした。事件抜きで考えたら、普通は人と話している時に物を食べることは失礼になる。そうだろ?」 「それは……まあ」     
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