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「了解ですSure。識鑑で分かった情報をお伝えしましょう」
被害者の田所は半年後に結婚する予定だったという。
相手は五歳年下の新稲純子。都市銀行本社の受付嬢をしており、出会ったのは業界の会合で新稲の銀行を訪れた時だった。
お互いに未婚であり、住んでいる場所が近かったり、趣味のスキューバダイビングや読んでいる本のジャンルも合うことから意気投合し、半年という短い期間での婚約に至った。
これまで二人や二人の家族の間にトラブルはなく、半年後に控えた結婚と新居での生活を楽しみにしていたという。
「しかし、二人のそれぞれにトラブルがあったそうなんですWhat's happen? 田所は過去に結婚詐欺で三百万ほど盗まれた過去があるのと、新稲純子にはストーカーがいたんです」
長野にある田所の実家に連絡をすると、二年ほど前に付き合っていた女性とも結婚の話が持ち上がったものの、マンションを買う名目で三百万を渡したところ持ち逃げされたことがあったという。
金融アナリストとして様々な人と会いながら見る目を養っていた彼にとっては相当ショックだったらしい。
一方、新稲家は現場から一キロと離れていない場所にあるため、捜査一課の殺人班は直接訪れて話を聞いていた。
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