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まんまと乗せられた結神は意気揚々と人間界へ降り立った。金の力は偉大だと実感したと同時に、部下は結神の神経を疑った。……まぁ、今更か。
神の秘密道具である変化の羽衣は、着用した者をその世界に合わせた容姿に変えてくれる。つまり、今回は人間。それも女子高生の姿なのである。
「どうよあたしのセーラー姿! ふふん! まだまだイケるわね!」
「……三百近いヤツが何言ってんだか」
「なによ! 神の中じゃまだ若い方なんだからね!」
結神は叫んだ。ちなみ部下とはいつでも連絡が取れるようになっている。
いつもならもっと文句を言う結神だが、機嫌が良いのか何も言ってこない。さっきからくるくる回ってスカートの裾を嬉しそうに揺らしている。セーラー服がよほど気に入ったのだろうか。まぁ……確かに似合ってはいるけれど。
操作の万年筆は記憶を書き換えることが出来る優れ物だ。
今回、結神はこの学校の生徒で香奈の友人、と周囲の人間の記憶を書き換えておいたので、誰にも怪しまれることなくすんなりと学校に潜入できた。
結神は廊下をキョロキョロしながら、部下の指示通り香奈を探す。
……ってかなんであたしが指示されなきゃなんないのよ腹立つ。やっぱこういうのって普通部下の仕事なんじゃないの? よし、帰ったらボコる。
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