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「……残念でした。明日は、もう約束入っちゃってる」
「その約束ずらせない?」
「何で、いっつも私ばっかり浩平に合わせなきゃいけないの?
大体、いつも私の気持ちなんかお構いなしで好き勝手やってるくせに!
明日はねー、杉本さんとお茶しに行くんですよーっだ。
浩平なんかアテになんないからねー」
「杉本? 杉本なんかと行くの、やめろよ」
私は、浩平がエラソーに言うのでカチンと来た。
自分は浮気してるくせに。
滝沢麗といちゃいちゃして会社でキスなんかしちゃってるくせに!!
何が仕事だっ!
「自分だって好き勝手に女と遊んでるくせに、私には指図してくるわけ?
なんの権利があってそんなこと言うのよ」
「いや、そういうことじゃなくて…」
浩平が話を続けようとするのを私は遮った。
言い訳なんか聞きたくないし!
「とにかく、私は疲れてるから、これ以上、ごちゃごちゃ言わないで。
もう帰るから!」
私は浩平を振り切って、改札の向こうに駆け込んだ。
フン。
私はどすんどすんと足を踏み鳴らすように歩いた。
……しばらくぶりで、言いたい放題言った。
……
…………
……スッキリしない。
スッキリしないよーー!
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