12 喧嘩

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「……」 私が口をあんぐりと開けて圧倒されていると、杉本さんはクスリと笑った。 「ね、びっくりでしょう?」 古い農家を綺麗に改装した風の建てものの中に入っていく。 中は、アンティークの家具や小物がちりばめられていて、独特の雰囲気を醸し出していた。 「素敵……」 サイフォンで入れたコーヒーの香りが店内に充満している。 ハンチング帽を被って、綺麗に手入れをした口ひげを蓄えたおじさんが、茶色のエプロンで手を拭きながら出てきそうな、そんなカフェ。 大きなベイ・ウインドウのある席に案内されて、私は外を眺めながらコーヒーを堪能した。 「美味しい……」 「でしょう。ここは、カツサンドも名物なんですよ」 カツはなー…… 「あ、お弁当食べたばっかりでしたね」 「うん、お腹いっぱい」 本当は小腹がすいてたけど、面倒だったので私はそう答えた。 結局時間をかけてゆっくりとコーヒーを飲み、私たちは外に出た。
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