第2話(この世界の女の子には、獣耳がない)

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 一瞬男なのに魅入られてしまったが、多分気のせいだと僕は思った。ただ、 「これから僕、どうしたらいいんだろう。その召喚主の所までここからどれ位移動にかかるのかな?」 「……1月はかかるな」 「そんなに! 何でこんな遠い場所に……」 「あー、それは……」 「それは?」  そこで目の前の彼は口ごもってから僕を見て、 「多分、ここに飛ばされる時に抵抗したから」 「抵抗……覚えていないけれどそうなのかな?」 「恐らくは。でもそうだな……連れて行ってやろうか? その召喚主の所に」 「いいの?」  僕はじっと彼を見つめると、彼は何かを必死で抑えるかのように空を仰ぎ見てから、 「どうせ行く宛もなかったし。いいぞ」 「本当! ありがとう」 「……素直に信じるのはよくないぞ。俺が悪い人だったらどうするんだ?」 「え? そ、そうだよね、うん。……えっと……」
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