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一瞬男なのに魅入られてしまったが、多分気のせいだと僕は思った。ただ、
「これから僕、どうしたらいいんだろう。その召喚主の所までここからどれ位移動にかかるのかな?」
「……1月はかかるな」
「そんなに! 何でこんな遠い場所に……」
「あー、それは……」
「それは?」
そこで目の前の彼は口ごもってから僕を見て、
「多分、ここに飛ばされる時に抵抗したから」
「抵抗……覚えていないけれどそうなのかな?」
「恐らくは。でもそうだな……連れて行ってやろうか? その召喚主の所に」
「いいの?」
僕はじっと彼を見つめると、彼は何かを必死で抑えるかのように空を仰ぎ見てから、
「どうせ行く宛もなかったし。いいぞ」
「本当! ありがとう」
「……素直に信じるのはよくないぞ。俺が悪い人だったらどうするんだ?」
「え? そ、そうだよね、うん。……えっと……」
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