第2話(この世界の女の子には、獣耳がない)

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 そう言われてしまうと確かにそうなのだが、かといって僕は今一体誰に頼るべきなのだろうかと思う。  しかも村のような人の住処も見当たらない雄大な森林の中の道。  こんな場所では人に会えただけでも幸運だ。  今から彼を無視してどこかに歩いて行ってもいのだけれど、ここの世界がどんな場所なのか全くわからない。  下手をすると野生生物に……。 「どうした? 顔色が青いぞ? ……冗談だったが怖がらせすぎたか。子供をからかったのはいけなかったか」 「……僕は18歳です。童顔だっただけです」 「お、同い年。これで?」 「……」
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