第33話(可愛がり攻撃)

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「“鑑定スキル”をお願いできますか? リーフィアのモザイク部分にもしかしたらもっとヒントが隠されているかもと思いまして」 「それは、あの材料がどうやって手に入るかが問題なのですか?」  僕が問いかけるとミストフィアが頷き、 「ええ、エルダ伯爵にはどうしても借りは作りたくないので、出来る限り我々でなんとかしたいのです。もっとも幾つかは、お金で解決できそうですが」 「そうなのですか。あと必要な物は、どれなのですか?」 「“マタタビ森草”“ロエアルト水”です」  そこでメルがすっと兄に、それらが採れる場所を書いた先ほどの紙を見せた。  それを見たミストフィアが目を丸くして、 「これは!」 「やり方を変えてタクミの能力を使ってみたんだ」 「確かにこれなら、とりにいけます。特にここはうちの別荘がある場所……」 「僕もこの別荘に採りに行こうか? 場所は知っているし」 「いえ、メルを危険に晒すわけには行きませんからこの屋敷にいなさい」 「そう言うとまた家出してやる」 「メル……」
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