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「確か、タクミ様でしたか」
「あ、はい。様付けではなくていいです」
「いえ、当家の客人ですから、そういうわけには参りません」
お仕事の関係で、そう言わないといけないらしい。
むず痒いなと思いながら僕は、
「あの、不安そうな顔ですがそんなにその、薬の材料を集めるのが難しいのですか?」
「私はそんな顔をしていましたか? 失礼いたしました」
「い、いえ……ちょっと気になっただけです。それで、どうなのでしょうか?」
「……そこそこ遠方になりますが、難しいですね。それであれば、エルダ伯爵から譲り受けた方がと進言したのですが、なかなか頷いていただけなくて」
考えこむようにスウィンはそう答えるが、僕としては前から気になっていたことがあって聞いてみた。
「そういえばエルダ伯爵とはミストフィアさんとはどのようなご関係なのですか? 仲が悪そうですが」
そう僕が問いかけると、スウィンは何とも言えない顔になった。
この微妙な反応が気になっているとスウィンは周りを見回し、他に誰も居ないのを確認してから深々とため息を付いた。
そして僕に向かって、
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