第4話(この世界のモフモフ事情にて)

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 この世界には獣人以外にもペットの犬がいるのか……と僕は見ていると、 「仲睦まじい恋人同士だな」 「え?」 「……ああ、俺達は、ああいった小型の動物に変身できるんだ。“獣化”と言ってその昔は戦闘能力強化の意味もあったが平和な時代が続いたせいか、段々に能力が退化して今は、あれくらいの大きさの動物になって恋人にモフモフ撫でられるのが主流になっている」 「そうなんだ……カイルもあんな感じになるのかな?」 「いや、俺は古い時代の能力を残しているのもあって、“獣化”すると大きくなるからタクミには抱きしめられないな」 「そうなんだ、残念」  僕も小さなモフモフになったカイルを抱きしめられたらなと思ったけれど無理らしい。  残念だなと思っているとそこで大きな赤いレンガの建物が見えてくる。
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