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「まあ、私としても、おかげでこんな可愛い子を拾えましたから良しとしますが」
「にゃあ、頭をなでるな、子ども扱いするな!」
「お腹が空いて私の目の前で倒れていたのはどなたでしたか?」
レイトが微笑んでメルに告げると、メルが小さく呻いて黙る。
しかも更にレイトは、
「そして今日も僕は大人だー、と言ってここの人達にマタタビ酒を分けてもらっていましたね?」
「! そ、そういえば何で話していないのに……」
「お酒の匂いがしましたしね。それにいつもより気が大きくなっていましたから、ああ、またかと」
「ま、またかって……」
「マタタビをなめたメルはそれはもう凄い事になりますからね。以前なんて……」
「! な、何回同じ話をする気なんだ!」
「では貴方との出会いの話をもう一度つぶさに、カイル達に話しましょうか?」
「だ、だから鳥のくせに昔の事をねちねちと。三歩歩いたら忘れろ!」
「生憎ですが、貴方との出会いは忘れられませんね。衝撃的で」
「……喧嘩を売る気か? 買うぞ?」
「仕方がありませんね、少しお相手しましょう。まだマタタビが抜けないようですし。……カイル様、少し失礼します」
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