第2話(この世界の女の子には、獣耳がない)

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「この世界には女子が少なくて同性が当たり前なんだが、それでも同性同士で生まれにくい王族いて、そういった王族が異世界から“嫁”を召喚するのだそうだ」 「……僕、男」 「……特に異世界の耳なしの男は繁殖能力が高いらしい」  その時、僕はどんな顔をしていいのかわからなかった。  だってここは、BL、つまりボーイズラブな世界だったのだ。  僕、女の子が大好きなのに! 「な、何て世界に僕は呼び出されてしまったんだ」 「あ、いや、でもその召喚主の所に行けば元の世界に戻してくれるかもしれないし」 「なんで!? その前に僕……僕……」 「え、えっと、ああ、でもその場合はきちんと同意を得てからにしないと、そういった薬を使っても子供は出来ないから。それに嫌だといえば別の人間を呼び出すだけだから大丈夫だぞ」 「ほ、本当?」 「本当だ」  そう彼は優しく僕に微笑んだ。
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