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やっぱつけられてる......
さっきコンビニの角曲がった時も居た。ずっと同じ距離保ってるし。
タッ、タッ、タッ......
タッ、タッ、タッ......
タタタタ......
タタタタ.....
歩くスピードを早めれば、背後に忍び寄る影も早くなる。スピードを遅めれば、影も遅くなる。
ドクン、ドクン......
ドクン、ドクン......
心臓の鼓動が骨に伝わり、あたかも全身が鼓動しているかように思える。
走って逃げようかな。でも大きな荷物持ってるし......
暑くもないのに額から流れ落ちる大粒の汗が、そのくっきりとした二重を伝い、大きな両目に流れ落ちていった。
ヘアムースを多分に含んだその汗は、見慣れた学園通りの景色にモザイクを掛けた。
もうやだ。目が痛い......
人間の視界は前方180度のみ。後方に目が付いている人間は存在しない。
そのように考えると、人間の背後というものは実に無防備であり、後ろから突然襲われようなものならば、防御の取りようがない。
今彼女の本能が、背後に忍び寄る影に対し、正にMAXレベルでの『CAUTION』を発していたことは言うまでもなかった。
このままじゃいつか絶対殺される。もういい加減にして欲しい......
やっぱまだ後ろに居るのかな? もしかしたらもう居なくなったんじゃ......
ちょっと振り返ってみようかな......でも怖いな。
多分......もう居ない!
そうに決まってる!
よし、見てみよう!
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