第二章 遭遇

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彼の言うところの平日とは、残念ながら土曜日も含まれる。更に言うとGW、お盆、三元日までもが例外ではなかった。 月5万円だけの仕送りじゃ、アパートの家賃だけで吹っ飛んじまうもんな...... バイトしなきゃ学費も払えんし、それ以前に餓死しちまう。 かと言って実家も別に裕福な訳じゃないし......5万円の仕送りでも感謝せんといかん。 日曜日だけは小説書いて書いて書きまくる! それだけは俺が決めた鉄壁のルールだ。 日曜日まで働き詰めとあっちゃ、小説で食っていくなどという俺の夢は儚いものになっちまう。日曜日だけが最後の砦だ。 そんな日曜日にかける青年の意気込みとは裏腹に、この時間帯になると必ず彼の時間を拘束する者が現れる。 「蒼太(そうた)く~ん!」 見れば学園都市駅方面から、大きく手を振りながら駆け寄ってくる年若き女性。 少し肉付きはいいが、それなりに可愛らしい顔をしている。表情豊かなはっきりとした顔立ちだ。 たまにペットショップに行くと、人に寄って犬の好みが二分している事に気付く。 トイプードル、ヨークシャーテリアなど所謂『もろに可愛い犬種』 それともう一つの分類。 フレンチブルドック、パグなど、所謂『ブサ可愛い犬種』だ。 フレンチブルドック可愛いなぁ...... つぶらな瞳がたまりませ~ん...... 実はこの青年、昨日もバイトに向かう途中立ち寄ったペットショップで、目尻を垂らしてそんな呟きをツイッターに流していた。勿論写真付きだ。
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