第二章 遭遇

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頭を強く打ち付け、目眩すら感じる殺伐とした状況の中、真っ先に目に入って来たものは、自分と同じく地べたに倒れ込む一人の年若き女性だった。 俺は今この人と正面衝突したのか...... やっと状況を理解し始めた蒼太だった。 そうだ、助けないと!  今更ながらに蒼太はその事に気付き、直ぐ様立ち上がろうと試みるも、軽い脳震盪を起こしているのか、思うようには立ち上がれない。 蒼太よりも先に立ち上がったのは女性の方だった。 蒼太はその様子をフラフラになりながらも目で追った。 見たところ女子大生のように見える。霞女子学院の生徒なのだろうか? 何なんだあの表情は?! 魔物にでも取りつかれているのか? よくよく見れば目は釣り上がり、顔には血の気が無く、雪女のごとく真っ白だった。 浮かべる表情は恐怖に怯え、狂乱しているとしか思えない。 その要因は、今自分とぶつかった事に寄るものではなく、その以前から引きずっていた何かが作用している事は明らかだった。 なぜならこの女子大生はかれこれ15秒、さっきからぶつかった当事者である自分を一度も見ていない。意識は明らかに後方へと向けられている。
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