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「ユウキさん、あとはこの子が責任持って片付けてくれるから、あなたは持ち場に戻りなさい」
手伝いに来てくれた人達をさっさと追い返したチサトは、唯一モップだけをその場に残し、何事も無かったかの様に自分の仕事へ戻って行ってしまった。
「また仕事が溜まって行くじゃない……」
空気のように漂う私の愚痴は、モップに吸い取られる玉子のように消えて、結局それを含めた全ての業務を終えた時には、お昼休憩も半分食い込んでいた。
玉子の跡が付いて汚れたエプロンを手に食堂の扉をくぐる。
誰と言わなくても発信元がわかる噂話が広がっているそこで、やっとゆっくりと椅子に腰掛けた。
今日も私は大きなミスをして迷惑をかけたことになっているらしい。
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