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他にも色々言ったが、どちらかと言えば、藤原に最初はやるけど、次は名護のものとなると解釈した可能性は高い。
「……弘武」
真っ赤になった藤原が、自分の頭を抱えていた。
「いいの?俺は止まらないよ」
「今する、などとは言っていない。いずれ、そうなるかもしれない、だけ」
逃げても、やがては捕まると分かっている。でも、俺がまだ準備できていない。
「親父にも、焦るなと言われている」
将嗣自身は焦って佳親に手を出して、あれこれあったらしい。
「でもさ、少しはいいよね」
今日は風呂に入っていない。着替えは名護の家に置いてきてしまった。
「藤原、風呂に入りたいけど、着替えが無い」
藤原は寝室から、着替え一式を持ってきた。
「俺と弘武専用の風呂もあるのよ」
俺の知らない間に、何を作っているのだろうか。
部屋に隣接して、テレビのある風呂があった。俺は、服を脱ぎ捨てると、シャワーを浴びる。
藤原も服を脱ぎ捨てると、横に立っていた。
「弘武は、本当に綺麗だよな」
「こんなに、怪我だらけなのにか?」
藤原が俺の怪我の跡を、手でなぞっていた。
「怪我で損なわれるものなんて、弘武にはないよ」
藤原の手が、そっと尻に伸びてくる。
「やっぱり、綺麗だな。赤ん坊みたいだ」
どこを見ている。指で広げられて、シャワーが直に当たっている。しゃがみ込んだ藤原が、そこにキスしていた。
「ば、バカ」
名護といい藤原といい、そんなところに、キスできるものなのか。そこは、普段は排泄にしか使用しないものだ。
「すげ、きゅっと締まった。可愛い」
「汚いから、止め!」
でも、体がビクリと反応していた。藤原の舌が触れると、ぞわぞわと体の奥が動く。立っていられずに、壁に手をついた。
「汚くないよ。見せたいくらいだ。桃色でピクピクしていて」
感想を言わないで欲しい。湯舟にも入っていないのに、のぼせてしまいそうだった。
「弘武、力を抜いて。奥まで舐めさせて」
「待った!」
そんな事をされてたまるか。
でも、喧嘩なら負けない自信はあったのに、藤原を突き放せない。
「待ったなし!」
「そんな……藤原、ダメだって」
でも力が入らない。藤原にされるままに、舐められてしまっていた。
第十九章 さよならは知っている
せっかく風呂があったというのに、入る前に藤原に妙な場所を舐められてしまった。
「藤原、ダメだって」
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