学園刑事物語 電光石火 後編

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「あのね、ここが男の場合は重要なの。ちゃんと慣らしてゆかないと、使えないでしょ」  女性と違い、男の場合は訓練が必要だと、藤原が力説してくる。 「こんな場所、使わなくてもいいだろ!」 「俺は、弘武とちゃんと繋がって感じたい!男なら性欲!」  風呂場で喧嘩をしていたので、お互い暑さでのぼせてしまった。 「暑い!気持ち悪い!」  風呂から出ると、縁側で扇風機に当たってみた。蚊取り線香が隣で揺れている。 「印貢、かき氷だ」  かき氷を食べていると、やっと頭がすっきりしてきた。 「しかし、可愛かった。この調子で、早く、俺のも出入り可能にしてね」 「二度とさせるかよ」  思い出すだけで、又熱くなってくる。藤原の舌の感触が、そこにしっかりと残っている。 「今日は、これで止めておこうかな。印貢は慣れていないし、もっと、もっと一杯にしてからね」  藤原はご機嫌になっていた。 「何を一杯にするのだ?」 「妄想。ここに、あれを入れたらどうなるってもっと考えて、欲しがって」   知らないのに、欲しがらないだろう。 「藤原、下ネタは止めような」  藤原がキスしようとしたので、俺は顔を背ける。 「尻と同類は嫌だ」  暫くは藤原とキスはしたくない。 「そんな……それじゃ、もっとあっちの口にキスしておけばよかった」  口も尻も、究極、出口と入口なだけで、同じ内臓であると思い知った。口でも感じる分、尻でも感じる。特に優しい、触れるか触れないかの感触が響く。ぞわぞわと、全身に痺れをもたらす。  力強さだけがいいのではないと、あれこれ発見はあった。  かき氷を食べ終わると、部屋に戻ってテレビを確認する。死者は減り、完治者が多くなってきていた。これならば、もう眠っても大丈夫だろう。 「藤原、俺、眠るよ」 「そうか。じゃ、俺も眠るかな」  同じベッドで眠ろうとしたので、俺は枕を持って移動した。 「暑い!」 「冷房を効かせている!」  名護の所に行こうとすると、藤原が本気で引き留めてきた。 「何もしないから。もう寝よう」  確かに疲れている。早く横になりたい。  ベッドに入ると、藤原が横に寝転んだ。 「……爆弾で仁人を撒いたのは素火流だけど、海堂の指示だったのかな」  海堂は四区を憎んでいたが、無差別殺人をする人間ではなかった。 「多分、違うだろうな。海堂を悪者にして、誰かを殺したかったのだろうね」
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