53人が本棚に入れています
本棚に追加
/185ページ
俺の蹴りは、サッカー部以前のものであろう。
「まあ、弘武が俺のものだと分かったし、眠るか」
やっと、眠る事ができた。
翌日、仁人の感染は抗生物質とワクチンにより鎮静化した。そこには、沢山の死者があった。死者の統計を見て、俺は思い違いをしていた事に気が付いた。
「やっぱり、海堂の仕業かもしれない」
藤原の家には、大広間があり、そこで皆で朝食にしていた。藤原家に泊まり込んでいた佳親と、征響達も大広間で食事をしていた。
俺が名護の姿を探すと、名護は鴉と食事の最中だった。
「名護」
名護が顔を上げて、俺を見ていた。
「藤原先輩と一緒ではないのですか?」
「藤原?どうして一緒なの?藤原は、自分の部屋で眠っているのではないの」
夜中に藤原が、俺にイタズラしてきたので、喧嘩になって部屋を追い出したのだ。その後、藤原とは会っていない。
畳に座ると、俺にも朝食が運ばれてきていた。
朝食は、和食でトレーに乗っている。朝食はパンが多いので、海苔と生卵が、俺には新鮮に見えた。
「海苔!」
海苔に喜んでいると、鴉の赤穂が俺に海苔をくれた。
「赤穂、ありがとう」
志島は、空になった海苔の袋を見ながら、悔しがっていた。
最初のコメントを投稿しよう!