学園刑事物語 電光石火 後編

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 有明の綴った日付も、今日であった。生きていると知らせたかったのかもしれない。でも、別れの挨拶ともとれる。どちらなのかは分からない。 「有明は、生きて戻って来ると信じておこうな」  相澤が、俺と湯沢の頭を撫ぜていた。 「さてと、俺は久芳漢方薬局のバイトだからね。行くかな」  相澤は、本職は刑事であるが、学校が休みの間は久芳漢方薬局でリサーチを続ける事になっていた。  久芳漢方薬局には、様々な変人もやってくる。  有明の手紙を畳んで、封筒にしまうと湯沢に戻した。読んではいなかったが、最後に小さく文字が追加されていた。  さよならと言うと湯沢が困るし、印貢が泣くだろうけど、あえて言っておきたい。  又、会う日までさようなら。  有明らしい括りで、笑顔になったが、やはり涙が落ちてきた。俺は、これからも仲間と一緒に生きてゆきたい。 「泣くな、弘武。俺達がいるだろう」  征響の慰め?なのか、バシバシと背中を叩かれてしまった。そこに、倉吉が蹴りを入れてくる。ここのコミュニケーションは、暴力的だが、温かみはある。  そこに、藤原と名護から同時に連絡が入っていたが無視することにした。何か、事件が始まっている気がする。 『学園刑事物語 電光石火 完』
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