お買い物

2/3
前へ
/3ページ
次へ
とある三月の昼下がり。私は友達のマキとお茶を飲んでいた。 「んー、何かあるかなー」 「なかなか思いつかないもんだね」 今日は、私の買い物に付き合ってもらっているのだ。 「誕生日ねー?」 自分が嫌いな誕生日を、誰かに祝うなんてなー。相手は喜ぶのだろうか?まぁ、毎回喜んでくれるから、プレゼントを送ろうと思ったのだけども。 誕生日が近いおじいちゃんに何をあげるか。「変な物」をあげると、おばあちゃんにメールをしてしまった私は、ちょっと後悔していた。 「変なものって何」 「変なものって、変なものだよ」 一週間ほど考えて、何も思いつかなかった。 だって、変なものだよ?考えたって思いつかないよ。思いついたらそれはその程度のもので、笑えるようなものじゃないんだよ。 「あー、どーしよ」 カラのカップを机に置き、顔を伏せる。 「まぁまぁ諦めなさるな」 「じゃあ、なんか思いつく?」 「見て回って、変なもの探そ?」 マキに言われ、まぁそれしか無いよなーとか思う。思うけど、近くに面白そうなものがありそうなお店は……。 あぁ、あったか。 「ロフト、まわろっか」 あの店で私が買ったことがあるのは、サイコロと、筆箱と、罰ゲーム用の衣装くらいだった気がする。見て回るだけでも楽しいし、きっと面白いものがあるはず」 「だねー。行ってみようか」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加