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とある三月の昼下がり。私は友達のマキとお茶を飲んでいた。
「んー、何かあるかなー」
「なかなか思いつかないもんだね」
今日は、私の買い物に付き合ってもらっているのだ。
「誕生日ねー?」
自分が嫌いな誕生日を、誰かに祝うなんてなー。相手は喜ぶのだろうか?まぁ、毎回喜んでくれるから、プレゼントを送ろうと思ったのだけども。
誕生日が近いおじいちゃんに何をあげるか。「変な物」をあげると、おばあちゃんにメールをしてしまった私は、ちょっと後悔していた。
「変なものって何」
「変なものって、変なものだよ」
一週間ほど考えて、何も思いつかなかった。
だって、変なものだよ?考えたって思いつかないよ。思いついたらそれはその程度のもので、笑えるようなものじゃないんだよ。
「あー、どーしよ」
カラのカップを机に置き、顔を伏せる。
「まぁまぁ諦めなさるな」
「じゃあ、なんか思いつく?」
「見て回って、変なもの探そ?」
マキに言われ、まぁそれしか無いよなーとか思う。思うけど、近くに面白そうなものがありそうなお店は……。
あぁ、あったか。
「ロフト、まわろっか」
あの店で私が買ったことがあるのは、サイコロと、筆箱と、罰ゲーム用の衣装くらいだった気がする。見て回るだけでも楽しいし、きっと面白いものがあるはず」
「だねー。行ってみようか」
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