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本命チョココンテスト
第2回本命チョココンテストin歩合高校。
第1回の昨年が好評だったため、今年も開催するらしいのだが。
苦言を呈しながらも恭しく参加を宣言する彼女がいた。
「私菅野有紗はコンテストに参加し、正々堂々と戦わずに優勝をもぎとることをここに誓います!」
所作だけ礼儀正しいが、発言は過激派そのものだった。
「その宣言はしなきゃいけなかったのか?」
だからこんな場所まで連れてこられたのか。
放課後体育館の倉庫に呼び出されたとおもったら、今から部活を始める生徒たちからは準備の邪魔だと白い目で見られたり、跳び箱に押されてぶつかった僕と腕組みしてる菅野の二人を奇人変人の目で見られたりと散々だった。
あと菅野のネックレスがいちいち僕の目を西日の反射で拷問してくるから、目をシパシパさせて首を振る動作も他の生徒に避けられる原因となっているにちがいない。
今近くには誰もいなかった。誰も変な噂を立てませんように。
「なんでキョドってんの?」
第四、第五胸椎あたりにまとまった髪を後ろに払いながら、菅野は言う。
そのしぐさと姿にドキドキする人は多いと思うが、僕は別の意味でドキドキしていた。
「コンテストに参加するのはいいとして…………。なにする気?」
嫌な予感しかしない。いや、ここに連れてこられた時点で嫌な汗をかいてるけど。まだ2月なのに。
「決まってるでしょ。優勝するのよ!」
それを聞いて僕は唖然とした。いや、自由で身勝手な行動には慣れてるが、この人何する気なんだ!
料理の腕前は並でしょうが!!
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