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今からツクルから手伝って!
「さて、始めましょうか」
ガヤガヤした調理実習室の中で僕と菅野は二人、小さなキッチンの前にいた。ちなみに共同なので他のグループとも仲良くがルールなのだが、シッシッと追い払われた後輩三人組がいたことを僕は忘れない。
先輩だったらどうしたんだよ。
「顔を見れば一年か三年かなんてわかるわよ。一年は幼さが抜けない、あどけないアホ面。三年はキリリとした礼儀正しい先輩方」
「一年と三年で学校違うじゃねぇか」
まるで別人だよ。
あと、僕たちが二年生だってことを忘れてないか。
「で、僕は何をすれば?」
呼び出されはしたが、やることはない。何しろ料理はからっきしなのだ。
ちらほらと、男子はいるが数人しかいない。ほとんど女子で埋め尽くされたこの教室は、バレンタインデー当日の熱気で溢れている。
「私は作る、あなたは工作する」
「……やっぱりそうだよね」
ということで行動開始。
菅野はチョコレート作りに没頭しているから、話かけても無視されるだろう。向こうが話したいときに僕を呼ぶだけ。
足元に置いてある小さな箱が気になるが、とりあえず触れずに僕は僕でやるべきことをやる。
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