第1章 点と、線。

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きっと彼は、私が気にしているのを知って、わざとそうしたのだろう。 「大事になるのわかってたんなら、言わなきゃよかったのに…」 「何?」 「なんでもないです…」 目の前にあるビールを一気飲みし、出来立ての焼き鳥をほおばる。 さっきからこちらばかり見て、食事が進んでいない様子の彼。 「あんまり好きじゃないですか?こういうところ…」 「好きだよ」 私のことを好きだと言っているわけでもないのに、いやに胸がときめく。 「今、どの程度?」 「何がですか…?」 「お試し期間の結果。どのくらい、恋してくれてる?」 「まだ全然経ってないじゃないですか…!」 「おかしいな…」
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