第1章

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「ゴラ――!!」 私が所有している土地にある、桜の巨木の下を掘っている親子を見つけ怒鳴りつけた。 「何をやっているのだ! 人の土地に勝手に入るな! 警察を呼ぶぞ!」 「すいません、すいません。 子供が飼っていたインコが死んだので、埋めてあげようと」 「そんな事私の知った事か! お前らには可愛いペットだったかも知れないが、私にはただの生ゴミ。 人の土地にゴミを捨てるな!」 「すいません」 「次にお前とその餓鬼が私の土地に入っているのを見つけたら、即座に警察に連絡し、弁護士を交えて話し合う事になるからな! 分かったか!!」 「は、はい。 申し訳ございません」 「分かったら、直ぐに出ていけ!」 親子は私に何度も頭を下げながら、私の土地から出て行く。 私の土地から出て行く親子の背中を睨みながら、私は独り言を口にした。 「まったく。 この桜の木の下に死体を埋めて良いのは、私だけだ」
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