第22章 苦渋の決断

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「失礼致しますー陛下、夜食の用意が出来ました」長官 「風ももう冷たくなりました故、どうかお部屋にお戻りください」長官 長官は静かに丁寧にそう言うと、懐仁様は一瞬だけ長官の方に視線を向けると、今度はすぐに月に視線を向けたのでした。 「夜食はいらぬ故、長官はもう下がるが良い」懐仁 懐仁様がそう言うと、後ろの方に立っていた長官はその言葉に困ったように少し慌てながら言ったのでした。 「陛下、どうかもうお部屋にお戻りくださいませ、このままではお体に障ります」長官 「大丈夫だ、気にするな」懐仁 「陛下…!」長官 尚も食い下がる長官に少しため息をつくと、懐仁様は再び長官の方に視線を戻したのでした。 「わかった、そなたの言う通りにしよう」懐仁 「はい、陛下」長官 懐仁様の言葉に長官は少し微笑みながら頷くと歩いて行く懐仁様の後ろをついて行ったのでした。 そして部屋に戻るとさっそく女官たちが戻って来た懐仁様に用意した夜食をお出ししたのでした。 そして懐仁様は夜食に手をつけると他の女官と内官を部屋から下がらせると長官を一人部屋に残したのでした。
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