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第2章 運命の出会い
その頃、皇女様はお部屋で縁談の際に身に着ける衣を眺めていたのでした。
「私が、縁談…」若草宮
「どうなさいましたか皇女様」侍女
「何となく、気が進まなくて…本当に私が縁談を?」若草宮
「はい皇女様…この縁談は皇子様が将来、政をしやすくするためのものです。」侍女
「そうなの?」若草宮
「はい皇女様」侍女
侍女は言い聞かせる様にそう言ったのでした。
そしてとうとう、皇女様が縁談の日を迎えられたのでした。
「良くお似合いでございます皇女様」侍女
「ありがとう」若草宮
皇女様のその姿は美しい十二単を纏った姿でした。
そして皇女様はお庭の池の方に歩み寄って行ったのです。
「少し散策がしたい…」若草宮
「はい、皇女様ー」侍女
そして皇女様はしばらく池を眺めながらゆっくりと歩いていたのでした。
「はぁ…」若草宮
その皇女様の深く悲しげなため息は、まるで皇女様の本心を表しているようだったのです。
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