4887人が本棚に入れています
本棚に追加
/831ページ
「橘さん、大丈夫?」
「榊さん……ありがとうございます」
サッパリ、キッパリ、スパーン、という擬音が大変似合う榊はその性格とは裏腹に、女の美愛から見ても色気のある大人の女性だ。
モデルのように背は高く、スラリとした体型にも関わらず出るとこは出ている。
常に高いヒールを履いているし、乱れなくアップに纏められている髪も相まって、キャリアウーマンという言葉を体現したような人だ。
「ああいうのはバッサリ切り捨てたらいいのよ。もちろん、自分が行きたいと思えたらいいと思うけどね」
「切り捨て……」
なんだか武士のような潔さだ、と思わずぽかんと口を開けて固まってしまった美愛を見て、隣に来ていた莉生は小さく笑う。
最初のコメントを投稿しよう!