東雲色

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こんなにも可愛いのに、どうして美愛は隠してしまっているのかが分からない。 美愛の目はアーモンドの様な形をしていて大きく、全体的にも整った顔つきをしている。 痩せていて丸みは足りないが、それを差し引いても可愛いことを知っている莉生としては、勿体ないと思ってしまう。 普通女の子なら、可愛く見られるように努力するものだろうし、そうありたいと望むものだと思っているが、美愛は違うらしい。 その理由は莉生にはまったくもって想像できない。 でも、隠しているのは間違いないという確信なら、莉生は確かに持っている。 「う……ん」 「美愛」 「ん……?」 ふるっと睫毛が動き、身動きすらしなかった美愛がようやく声を出した。
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