5人が本棚に入れています
本棚に追加
「つねちゃまー! またニキビできちゃったよー!」
「・・・・・・いちいち、どうでもいいことを報告してくるな。俺はお前のニキビも快便も興味ない」
朝に挨拶より先に便通やらニキビ報告してくるのは、同じクラスメイトの安岡千夏。
ちなみに、つねちゃまなんてふざけたあだ名で呼んでくるのも、こいつだけだ。
常美好久(つねみよしひさ)が俺の本名。
だが、別にこいつは嫌いじゃない。
安岡は俺に全く異性として下心ありで接してこないからだ。
もし、そうだとしたら好きな相手にニキビと便通の報告はしないだろう。
安岡はボブショートで細身。俺と目線も同じくらいの長身。
170センチあるので、女子として見ている男子も少ないようだ。
「チョコは油の塊だ。食うな」
「でもね、チョコレートの主成分のカカオはカルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛が含まれてて昔は薬としても使われたくらいなんだよ。本当に悪さをしているのは実は砂糖なの」
「チョコレート菓子はチョコと砂糖のコンボだが」
「うう」
安岡はそう言いつつ、鞄からポッキーを出した。
そして俺が嫌いなのを知っているくせに「ほれ」と差し出す。
俺はいつもの如く「いらん」と機嫌悪く言う。
最初のコメントを投稿しよう!