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安岡は別段、気にした風ではなかったが、チョコ大好き人間なのでいつも勧めてくるのだ。 俺に限らずいつも誰かとチョコ菓子を共有している。 ニキビを気にしているなら控えろって話だ。 安岡は、明るい。ニキビだなんだかんだと騒いでいるがいつも正面を向いて歩いている。 確かに少し荒れているが、俺は全くそういうのは気にならなかった。 本人も気にしているが顔を隠したりしないで、相手の目を向いて笑える彼女を俺は密かに尊敬している。 安岡に直接言えば「あたしのこと好きなの?!」とからかってきそうなので絶対に言わない。 「ところで、つねちゃま。ちみの嫌いな日付がやってくるね。今年はしかも平日だね」 「お前が言わなくても知ってる。だから?」 「今年はね、私もね、友チョコだけじゃなくて、なんと男子に渡そうと思っているのだよ!」 「ほー」 ・・・ふーん。 何の感情も浮かばなかった。 よな、俺。 「で、誰に?」 「教室で言えるわけないよ。どうせ、当日がきたら知れ渡るだろうから、それまで秘密ね」 「興味ないけどな」 「でしょうな! ま、つねちゃまもバレンタイン楽しんでよね!」 そう言って、安岡は俺の背中をおもいっきり強く叩いた。 俺は「ごふうっ」とリアクションとかじゃなく、マジににむせた。
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