手作りチョコレートの理由

高校生の頃の僕は、男子テニス部に所属していた。

僕が２年生に進級した４月は、新入生が入部してきて、テニス部は活気に満ちていた。

僕の高校は、男子テニス部と女子テニス部に分かれているが、練習は合同で行うことが多い。

ある日、夕方の部活開始の時、男子テニス部の部室に入ろうとしている僕に女子から、

「こんにちは！」

と笑顔で挨拶された。

はじめて見る顔だなと思いながら僕は、

「こんにちは！」

と返事をした。

隣の女子テニス部の部室に入っていったその女子は、身長が僕より少し低くて痩せ形、髪型はショートで笑顔が可愛い女子だった。

僕は、少しどきどきする感覚を覚えながら、その女子の名前を知りたいと感じていた。