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0001 近年稀に見るクソゲー
まぶたを持ち上げると、自室の天井が瞳に映った。最新のVRマシン――PP orbisを外し、ふぅと息を吐く。
PlayPosition orbis――開発会社の代表的なゲーム機であるPlayPositionの家庭用VRゲーム機最新作だ。一般にはオルビスと呼ばれている。
――オルビスはなんて意味だったか……どうでもいいか。
ふと頭に浮かんだ疑問を早々に切り捨て、上半身を起こした彼――如月真緒は、今しがたプレイしていたゲームソフトの感想をつぶやいた。
「……稀に見るクソゲーだったな」
辛辣な評価。しかし、それとは裏腹に真緒の口元は緩んでいる。なぜか、その答えは簡単だ――彼がクソゲー厨だったから。
クソゲー。クソゲームの略であり、プレイヤーがつまらないゲームソフトを酷評する際に用いる言葉。しかし、一口にクソゲーと言っても、そのパターンは様々だ。
例えば、『難易度が高過ぎて、やる気が失せてしまうゲーム』。
例えば、『シナリオや設定がつまらなく、娯楽として成り立っていないゲーム』。
例えば、『バグが多過ぎて、そもそもプレイが困難なゲーム』。
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