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春、桜の蕾が芽吹く頃…。
─── 新たな人生の門出を迎える者達を見定める。
空を、大地を、世界を淡く桃色に染め渡らせる頃…。
── 其々の明日へ別れを惜しみ、涙する者。
── 誰かの夢を願い、旅立ちを祝う者。
── 夢への扉の中へ新人を迎える者。
── 新たな出会いに心を弾ませる者。
── 落胆し、嘆く者。
多種多様な者を桜が満面の笑みを浮かべ、見守る。
世界を淡く桃色に染め渡らせた花弁がはらり、はらり、と次々と儚く散る頃…。
─── 新たな人生の門出を迎えて、巣だった際に出る不要になってしまった物達。
そんな彼らを迎えに来てくれる者が、機械の独特の声と共にゆっくりと歩みよる。
"あ、来た来た。
こっちもお願いしまーす。"
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