AMANDA

12/24
前へ
/24ページ
次へ
「帰んな」 もうウンザリだとばかりに彼女はため息をつき、僕に何か投げてよこした。 そして、不機嫌そうに僕を楽屋から押し出した。 「待って! 僕も、誰かにダンスを教わりたいんだ!」 パン!と小気味良い音と共に、頬に痛みが走る。 「ストリッパーにでもなるつもりかい? それこそ、舐めんじゃないよ」 目の前で乱暴にドアを閉められた。 僕はポカンとする。 背中がゾクゾクした。 彼女は、なんて、サイコーな女性なんだ! 渡されたのは、スリムな箱に入ったアーモンドチョコレートだった。 そう言えば、彼女の名前を聞くのを忘れてた。 彼女の事は、アマンダと呼ぼう。 僕だけの呼び名だ。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加