AMANDA

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マリリン・モンローをディフォルメしたような女のネオンがチカチカと目を攻撃してくる。 その上にはでかでかとショッキングピンクのネオンで”Under the ROSE”という劇場名が夜空に踏ん反り返っていた。 「子どもは帰れ」と高圧的に言われているような気がした。 「よし、行くぞ」 悪友の1人がサングラスをかけ直しながら一歩を踏み出す。サイズが合っていないのだ。 みんな大人の振りをしようとしてかえって滑稽になっている。 父親のスーツを黙って拝借してきたり、なぜかライダーズジャケットを着て来た奴もいる。 かく言う僕も、兄貴の服を借りてきたのだが。 チケット売り場には目つきの悪い老人がいて、眼鏡の奥から僕たちをじろじろ眺めた。 未成年だとバレやしないかひやひやした。
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