AMANDA

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客は中年の男性ばかりで、ぽつりぽつりと席に着き、むすっとした表情で腕を組んだりタバコをふかしたりしていた。 仲間たちを探すと最前列を陣取り、声を抑えながらも盛り上がっている様だった。 スーツの奴が僕に気づいて、早く来いよと呼び掛ける。 そこへ向かう途中、突然暗転した。 一瞬何が起きたか分からなかったけど、ステージの照明が点いたので、いよいよショーが始まるのだと分かった。 シスターの格好をした女優が出てくると、耳をつんざくような音量のスイングジャズがスピーカーから流れ出て、仲間たちも、さっきまで生気を失っていたかのようだった客たちも雄叫びをあげ口笛を飛ばした。 ブロンドの女優は修道服をマントのように翻し脱ぎ捨てた。 均整のとれたモデル体型だ。男たちの拍手と声に飲まれそうになる。
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