第一章 月島神社の神シオツチ降臨

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学校に着いた俺は職員室前にいる。  チャイムは俺が職員室にたどり着く少し前に鳴った。 「すみません。今日転入してきた香坂祐也ですが?」 「あー、君か。ちょっと待ってくれ」  胸板が厚く肩幅の大きい先生だった。ラグビーでもしてるのではないかと思うほど。 「麻由美先生―。例の転入生来ましたよー」 「はーい!」  俺の担任は女性か。前の学校では男性だったから新鮮だ。 「チョコリーン! 君が香坂祐也君ね。私が担任の八坂麻由美ね。まゆゆ先生って呼んでもいいよ。よろしくね」 「あ、はい。よろしくお願いします」  チョコリーンってなんだよ! というか、まゆゆってどっかのアイドルにいそうな名前だなオイ。  それに先生の恰好が白いスカートにベルト付けての上は黒の長袖ワンピースとか。  すごいファッション。先生の服これでいいのかよ!? 「そろそろ時間になるね。今からクラスに行くから、ちょっと待っててねー」  職員室の奥に行き自分の机で持っていくものを手に持ってきた。 「あ、ゴリゴリ先生ありがとうね~。チョコリーン」 「いえいえ、筋肉は良いことをするためにあるので。ふん!」  ゴリゴリってゴリラかよ! そのゴリゴリ先生はなぜ筋肉アピールポーズをする!? 「じゃあ、ゆうゆう行くよ~」 「はい」  ゆうゆうって俺だよな? いきなりあだ名で呼ばれたよ! 麻由美先生ずいぶんギャルっぽいな。見た目もだけど。 「さっきの先生は豪力剛志っていうの。すっごい胸板に筋肉だったでしょ?」 「そうですね。ラグビーをやっている人かと思いました」  だからゴリゴリって言ってたのか。名前からして筋肉のために産まれた人だな。 「今は体育教師で昔はラグビーとかしていたらいよ」  本当にラグビーしてたのか! 「それで~、ゆうゆうは前いた学校から、こっちに都会デビューしたわけ?」 「そんな感じです。父の仕事の関係もありますが」 「ここはそこまで都会ではないけど、青葉市は都会だからね。私、買い物でよく行ってるし~」 「そ、そうですか」 「そうだ。後でルイン交換しちゃおう」  ルインとはコミュニケーションアプリであり、俺たち学生が連絡ツールでよく使っている。
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