第一章 月島神社の神シオツチ降臨

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「祐也君」 「はい?」  ふと見上げると可愛い女の子? が立っていた。 「これからよろしくね。僕は高城萌(はじめ)」 「ああ。よろしく!」  えっ? 男の子? 俺と同じ男性制服だから男の子なのだろう。  いや、男の娘と言ったほうが正しい。俺は萌に見惚れそう。  だって可愛いんだもん!   俺の中でいろんなモノが崩壊し始めた。  いけない鼻血が出そう。  周りの女子から、 「キャー、萌ちゃんと祐也君の禁断の……」 「裕也君さっそく萌ちゃんの可愛さに……よだれが出そう」  周りの声が俺と萌の恋を妄想してるぞ。  いや、実際可愛いけど。 「裕也君の住んでいた河股町ってどんなところだったの?」 「田舎だったよ。でも、とても自然溢れて良い所でもあった。まぁ、都市からけっこう離れてるから、そこが難点だった」 「でも、そんな自然がいっぱいな所いいよね。行ってみたいな~」  いつでも大歓迎だ。俺全力で案内しちゃう! 「やっぱ、こっちに来たのは田舎に飽きたんか?」 「そういう訳ではないが都会デビューみたいな感じかな。あと、父さんの仕事の関係上もあって」 「都会って言ってもここはそこまで都会ではないな。青葉市なら都会といえるでい」 「英梨華ちゃんの言うとおりだね。青葉市ならここよりもすごいから都会かもね」 「そんなにか」  都市にはまだ行ったことはない俺に二人の言葉に大きな期待が膨らむ。 「よ、よかったら今度一緒に行ってみない……?」  少し恥らう萌。何これ?! 嬉しいかもしれない。 「おお! それは良い考えでい。あたしが案内してやるでい」 「ちょっと、二人ともごめん」  二人との会話の中で俺は綾香の所に行くことを思い出し、俺は綾香の席へと向かう。  この運命に似た出会いを祝して一言を。  キザに言いました。 「やあ、月島」  後ろから声を掛けると綾香が俺に振り向いた。 「裕也君。昨日振りですね。まさか、同じ学校でクラスになるなんて思いませんでした」 「俺もだよ。本当にこんな偶然ってあるんだな」 「本当です!」  綾香は笑顔で答えた。
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