第一章 月島神社の神シオツチ降臨

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俺は運命だと思ってるぜと言いたい。 「ところで、あの神様はなんであそこにいるんだ?」 「それは……」  言葉に詰まった綾香は少し視線を外した。 「あっ、ごめん。言えないことだよな」 「いえ、言えるのですが、ここでは……ちょっと……」  たしかに神様が見えることをここで話したら変人だと思われるよな。 「俺が悪かった。訊くもんではないなこんなこと」 『キーンコンカーンコン』  休み時間終わりの合図が鳴った。 「じゃあ、また後で」 「はい」  いつもの顔に戻り微笑んで答えてくれた。  授業が終わり昼休みへと突入した。 「祐也君。お昼どうするの?」 「俺は弁当がある」 「えっ?! 祐也君料理できるの?」 「妹が作ってくれたんだ」 「へー、妹がいるんだね」 「まぁ、何かとい文句とか言ってくるから少し生意気なところあるけど」  そう亜海菜は俺に何かと言ってくる。 「僕は一人っ子だから羨ましいよ」 「妹をあげようではないか」  冗談で言ってみた。でも、萌に姉か妹がいたら姉妹だと思う。  だって、萌は見た目が女の子だ。絶対に間違ってしまう。 「萌は昼飯どうするんだ?」 「僕はコンビニでパン買ってきたからそれを」 「じゃあ、一緒に食べようぜ」 「う、うん!」  何その輝いた瞳は! 可愛いんだけど!
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