第一章 月島神社の神シオツチ降臨

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「カーテン出来たぞ」 「ありがとう。お兄ちゃん」  笑みを見せる亜海菜に兄の俺でも可愛いなと思うほど。  亜海菜の笑顔にたまに逆らえないことがある。 「他に何か手伝うことは無いか?」 「大丈夫だよ」 「俺は自分の部屋にいるから、ん?」 足裏に床の感触ではない布のような感触が伝わってきた。  手にとって広げて見ると。 「……パンツ」  花柄の可愛いピンク色のパンツだった。 「……わ、悪い」  パンツを亜海菜に返すが、亜海菜は羞恥のあまり俯いたままだった。 「おにい……ちゃんの。お兄ちゃんのーーーえっちーーーーーーーーー!」 「うっ! うぉ!」  亜海菜の昇竜拳が俺の顎にクリーンヒットし、俺はそのまま後ろに倒れノックアウト。 俺の妹も成長したもんだな。昔はクマさん絵柄のパンツだったのに、いつのまにこんな大人の下着になっていたなんて。 「ふん! お兄ちゃんなんてしらない!」  最後に聞こえたのは妹の怒った声だった。   「もう~、お兄ちゃんにパンツ見られちゃったよ~」  大好きなお兄ちゃんに下着を見られてしまい、恥ずかしさの勢いで殴ってしまった。  私、香坂亜海菜は大好きなお兄ちゃんと一緒に居たくて付いて来た。  お兄ちゃんはかっこよくていつも私を守ってくれる。  小さい頃に私が男の子にいじめられた時、お兄ちゃんは一人で複数の男の子相手に立ち向かってくれた。  殴られても何度も立ち向かいいじめっ子たちを追い払ってくれた。  私はその時からお兄ちゃんは強くてかっこいいと思い始めた。  次第にその思いが強くなり今では大好きになってしまっている。  兄妹の関係には保っているから大丈夫……たぶん。 「お兄ちゃんどうしよう勢い余って殴ってしまった」  お兄ちゃんは床でのびていた。 「でも、本当にかっこいいなー」  間近でお兄ちゃんの顔を眺める私、この時間が幸せだな~。 「っん?」 「え?」  眼を覚ましたお兄ちゃんだけど、何もこんなときに!?  今、私とお兄ちゃんの顔の距離は近い。 「うぉ!?」 「きゃ!?」  お互いにビックリして距離を取った。 「ななな、なに!? 起きたの! お兄ちゃん」 「殴っておいてそれかよ!」 「うっ、ごめんなさい……」 「まぁ、俺にも落ち度はある。すまなかった」 「ううん。もういいよ」  やっぱ。お兄ちゃんは優しいな。 「さてと、私物を整理していくか」  立ち上がり私の部屋から出て行く。
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