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『ほう~、俺の声が聞こえるのか? ってことは、姿も見えるはずだな。そこを動くなよ。今からそっちに行く』
声の主は出てくるようだ。
本当に誰だ?
『よっと。俺が見えるか?』
閉まっている社殿の扉から抜けてきた男がいた。
服装は肌蹴だらしなく髪はヘアバンドでオールバック状態。
本当に神様なのかと疑うような身だしなみ。
「えっ!? ……あなた幽霊ですか?」
俺は眼を疑い最初に出た言葉がこれだった。
『幽霊なわけねぇだろ馬鹿か? 俺はこの神社の神様だ。ところで、俺にお供え物はないのか?』
「ないですけど……すみません」
『たっく、人間ってのは神様に敬意が足りてねぇよ』
「神様ですか……?」
本当に神様? こんな神様いるのか? こんな傲慢的な神様いるのか?
眼の和えにいる神様が本当に神様なのか疑う。
「もう一回訊きますが本当に神様ですか?」
『お前、俺を疑っているのか?』
そりゃ疑うわ。こんな神様見たことない。いや、神様自体見たことないけど。
『待ってろ。証明してやるよ』
何かを探している自称神様。
『あれを見てろ』
指を刺したのは草だった。
「あれをどうするんですか?」
『まぁ、見てろ』
草に向かって手を出すと光が放たれた。
「うそだろ!?」
俺は驚くしかなかった。草は見る見る成長しそこから花が咲いた。
眼をこすっても、頬をつねっても夢ではない。
「こんなことがあるなんて……」
『どうだ!』
勝ち誇ったように言ってくる自称神様
「どんな仕掛けがあるんですか?」
『仕掛けなんてねぇよ! 神の力だって言ってるだろ!』
「いやいや、またまた~。マジックですよね?」
『お前? しばくぞ!? 神様の俺を信じないとは』
自称神様の眼が怒りに染まっていた
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