第一章 月島神社の神シオツチ降臨

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「おい! 亜海菜」 「えっ、あ、うん。それはそれは良かったね~。お兄ちゃん!」  なんだ? すげー興味ない声になっている。 「黒髪で三つ編だった。本当に巫女って可愛い。いや、彼女は巫女姫だな」 「まぁ、お兄ちゃんには相応しくない相手だね。そんなに可愛いなら」 「俺の夢を壊すな」 「人の夢と書いて儚いって言うんだよ」  うぉ! 痛いぞ亜海菜。直球すぎて言葉が出ない。 「あ、あと、余計な奴もいたんだ」 「余計な奴……?」 「そこの神社の神様。ダメ神」 「あ~、お兄ちゃんって見えるんだよね」  俺が幽霊とか見えることは亜海菜は知っている。 「神様にそんなこと言っていいの?」 「いや、あいつは良い。むしろ、神様と思えないほどだ」 「神様だけど神様と思えないってどうゆうこと?」 「傲慢で身なりもだらしなくめちゃくちゃな奴なんだ」  ダメ神は本当に傲慢で態度のデカイ奴。 「私は見えないから見てみたいかも」 「やめたほうがいい。幻滅するぞ」  うん。俺も幻滅っていうか神様の見方を変えるべきだと思ったほどだ。 「そんなに?」 「ああ。邪神ではないかと今では思うほどだ」 「これから、その神社に行かないの?」 「う~ん。ダメ神は嫌いだが巫女姫はね別だからな~」  巫女姫は可愛いし下心とかではなく、もっと仲良くなりたいと思っている。  その次のステイションに行きたいとも思ってもいるけど。 「あ、そう。なら、頑張ってその巫女姫と仲良くね」 「おい、なんでそこでお前が不機嫌になる」 「別に~」  うちの亜海菜は不機嫌になってしまった。まったく、ネコのような性格だ。  いつも、俺に何かと言ってきてはたまに機嫌が良いときもある。  さっきまで比較的に機嫌が良かったほう。そして、今は一気に不機嫌になってしまう。  猫と亜海菜は似ているかも知れない。 「夕飯作ったから片付けはお兄ちゃんしてね」 「ああ。わかった」  たぶん。機嫌が良かったら洗い物もしてくれただろうに。  俺も食べ終わった食器を台所へ持っていく。 「一人暮らしだったらすぐに終わるのに」  俺と亜海菜の食器を洗い始める。  一通りの片付けなどを終わらせ部自分の屋へと入る。 「新しい学校か。まぁ、田舎者と思われないようにしないと」  新しい学校への新たな出発に俺は期待を膨らませる。
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