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「おい! 亜海菜」
「えっ、あ、うん。それはそれは良かったね~。お兄ちゃん!」
なんだ? すげー興味ない声になっている。
「黒髪で三つ編だった。本当に巫女って可愛い。いや、彼女は巫女姫だな」
「まぁ、お兄ちゃんには相応しくない相手だね。そんなに可愛いなら」
「俺の夢を壊すな」
「人の夢と書いて儚いって言うんだよ」
うぉ! 痛いぞ亜海菜。直球すぎて言葉が出ない。
「あ、あと、余計な奴もいたんだ」
「余計な奴……?」
「そこの神社の神様。ダメ神」
「あ~、お兄ちゃんって見えるんだよね」
俺が幽霊とか見えることは亜海菜は知っている。
「神様にそんなこと言っていいの?」
「いや、あいつは良い。むしろ、神様と思えないほどだ」
「神様だけど神様と思えないってどうゆうこと?」
「傲慢で身なりもだらしなくめちゃくちゃな奴なんだ」
ダメ神は本当に傲慢で態度のデカイ奴。
「私は見えないから見てみたいかも」
「やめたほうがいい。幻滅するぞ」
うん。俺も幻滅っていうか神様の見方を変えるべきだと思ったほどだ。
「そんなに?」
「ああ。邪神ではないかと今では思うほどだ」
「これから、その神社に行かないの?」
「う~ん。ダメ神は嫌いだが巫女姫はね別だからな~」
巫女姫は可愛いし下心とかではなく、もっと仲良くなりたいと思っている。
その次のステイションに行きたいとも思ってもいるけど。
「あ、そう。なら、頑張ってその巫女姫と仲良くね」
「おい、なんでそこでお前が不機嫌になる」
「別に~」
うちの亜海菜は不機嫌になってしまった。まったく、ネコのような性格だ。
いつも、俺に何かと言ってきてはたまに機嫌が良いときもある。
さっきまで比較的に機嫌が良かったほう。そして、今は一気に不機嫌になってしまう。
猫と亜海菜は似ているかも知れない。
「夕飯作ったから片付けはお兄ちゃんしてね」
「ああ。わかった」
たぶん。機嫌が良かったら洗い物もしてくれただろうに。
俺も食べ終わった食器を台所へ持っていく。
「一人暮らしだったらすぐに終わるのに」
俺と亜海菜の食器を洗い始める。
一通りの片付けなどを終わらせ部自分の屋へと入る。
「新しい学校か。まぁ、田舎者と思われないようにしないと」
新しい学校への新たな出発に俺は期待を膨らませる。
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