第2話 交差する殺意(前編)

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 「変な子がいるの」  白いワンピースと白い肌が映える清楚な、お嬢様風の格好をした、あやめが言った。  ファッションはあまり気にしていなく、目立たないようにしたいだけと言っているけれど、服選びのセンスはいいと思う。  「変な子?」  僕が訊き返すと、あやめは軽く頷く。  「今日はまだ来てない。いつもこのくらいの時間に、ここを通る女の子がいるの」  どうやらお目当ての子がいるらしい。  変というのは興味があると変換してよく、あやめが興味を抱くのは……。  「その女の子が誰かに殺意を?」  「ちょっと違うけど……あれ?」  話しながら視線を動かしたあやめが、  何かを見つけたようだ。
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