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「変な子がいるの」
白いワンピースと白い肌が映える清楚な、お嬢様風の格好をした、あやめが言った。
ファッションはあまり気にしていなく、目立たないようにしたいだけと言っているけれど、服選びのセンスはいいと思う。
「変な子?」
僕が訊き返すと、あやめは軽く頷く。
「今日はまだ来てない。いつもこのくらいの時間に、ここを通る女の子がいるの」
どうやらお目当ての子がいるらしい。
変というのは興味があると変換してよく、あやめが興味を抱くのは……。
「その女の子が誰かに殺意を?」
「ちょっと違うけど……あれ?」
話しながら視線を動かしたあやめが、
何かを見つけたようだ。
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