第2話 交差する殺意(前編)

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 カッターと一口に言っても、様々な種類が置いてある。  一般的な紙類を切る事務用の小型カッターはもちろん、ダンボールなどを切る時に便利な厚物切り用、  布やゴムを裁断するロータリーカッターに、プラスチックを切るアクリルカッターなどなど。  しかし、少年が手にしたのは、普通の紙類を切る事務用カッターだった。  「んん」  あやめが、釈然としない声を上げる。  「どうしたんだ?」  「あれだと、首筋をしっかり斬らないと刃が折れちゃうよ」  「学校に持っていける物なら、あれくらいが限界なんじゃないか。ナイフみたいな分厚いのは怪しまれるし」  「あれならハサミで刺す方がマシ。  アドバイスしてあげたら?」  アドバイスって……僕に殺人幇助(ほうじょ)でもしろと言っているのかな。  ※殺人幇助  殺人を手助け(協力)すること
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