第2話 交差する殺意(前編)

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 「どんなアドバイスをしたの?」  路地裏から離れた僕に、あやめが訊ねた。  「どうしても勝ちたいのなら、  地の利を活かせってね」  「ふうん」  地の利というか、先に決闘場所にいる有利さを少年に教えただけだけど。  自分より立場も、身体的な強さも上回る相手と戦うには、工夫が必要だ。  という訳で、結局協力してしまったわけだけど、まぁいいか。  なぜか、放っておけなかったし。   「僕達は隠れていよう」  あやめは、少年の殺意を確認しつつ、僕と一緒にいったん路地裏から離れた。
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